カテゴリ:不動産の事(営業・接客など) / 投稿日付:2022/08/14 07:38
昨日の新聞でこれからの業界について再認識できる記事がありました。
「人間が二人集まります。力は倍になります。しかし、責任は半分になったと感じるのです。」
解説では、抽象化によって人は自らの残虐性に鈍感になる。組織の中に入ると、人は個人としては消え、役割になる。そして個人の肉体に内蔵された攻撃と抑制の二つのスイッチのうち、後者(抑制)がきちんと働かなくなる。
組織といっても厳密に言うとどういった部署にいるのかに多少左右されると思いますが、不動産仲介という仕事で考えると、(特に大手の不動産営業ですが)組織の判断に影響されている営業マンが多いと感じます。
競合他社への攻撃ならそれはOKとしても、お客さんへの対応がものすごく攻撃的になっている。
具体的に書くと、「お客さんの利益より、組織の利益を優先している」という事ですね。
個人としてお客さんと接しているなら決してしない対応を、組織ならやってしまっているのは、責任の所在が組織になっているからだと思います。それが社風となって引き継がれ、特に新卒などの若い人にとってはそれが当たり前と感じて仕事をしている現状ですね。
一部日本でも動きが出てきていますが、アメリカ的な不動産仲介のスタイルに変わっていくような気がしています。何が違うのか?というと、アメリカでは不動産会社はあるのですが、営業マン(エージェントといいます)は会社からは独立している個人事業主という立場である事。お客さんは会社ではなく、自分に合うエージェントを選んで、物件探しや確認を依頼します。
エージェントは会社ではなく、個人でものごとを判断できます。極端にいうと、会社は看板を借りているだけの存在。そんな感覚が普通になっていくんじゃないかと考えています。
こんだけ情報が多く流れている時代、情報そのものの価値が薄くなってきています。不動産業界も行政に守ってもらうばかりでなく、レインズとかも一般公開したらいいのにって思います。
*レインズとは不動産会社だけしか見ることができない物件情報のシステム
レインズを一般公開してお客さんが売り出される物件情報を全部見れたとしても、やっぱり決断するにはプロの意見や確認を欲しいと思うんです。そこで選んでもらえるのが、本当の不動産担当です。