カテゴリ:売却について / 投稿日付:2025/02/09 22:42
売却の時に【物件情報の囲い込み】や【買取り誘導】の危険性についてよく説明するのですが、不動産システムが一般的に知られていない事や売却や購入ってほとんどが販売ではなく仲介という事で、いまいち実感が湧かないお客様もいっらしゃいます。
なんか例え話は出来ないかなってことで身近な物で説明してみますね。
あなたは野菜を育てているとします。キャベツが出来たので売りたいと思いました。
どうやって売るかといえば、野菜販売所で売る方法が一般的。
まず販売所と打合せして、そこにキャベツを置かせてもらう。
販売所に買い取ってもらうのではなく、そこに置いて、売れれば売価の3%を販売所に払うというシステムになっています(販売所は仲介になります)。
販売所の人と打合せをして、「今のキャベツの相場は●●●円だから」とか「ウチは買いに来るお客様が多いので●●●円くらいでも売れますよ」とか提案を受けて、結局350円で売り出す事を決めました。
いざ販売開始。でもなかなか売れません・・・・・
そりゃそうなんです、販売所の人間は売る気がないんです。
キャベツは一応棚には並んでいるけれど、お客さんが「コレ欲しいんですけど」って店員に言うと、「あっすいません。店頭に並べたんですけど、生産者からまだ売らんといてって言われまして」とか「さっきのお客さんで先約が入っちゃいまして」とか言って、ワザと売れないようにしているんです。
棚には並べているけれど、キャベツを箱から出さずに置いているみたいなケースもある・・・
これが【物件情報の囲い込み】ってやつ。
買取りへの誘導というのはもう一段ヒドイ手口で
ワザと売れなくしているんだけど、生産者であるあなたには「なかなか売れません。価格を下げてみましょう」って話をするんですね。
350円を320円へ値下げ。それでも根本として売る気がないんだから売れません。実際興味あるお客さんは現れるんだけど、見えないところで買えない様にしてるんだから売れるはずない。
さらに300円に値下げして・・・・・こんな感じで価格を下げていきます。
賞味期限がなくてすぐに売れなくてもいい物だったらドシって構えててもいいけれど、賞味期限があるなら(売却しないといけない状況だったら)、または「もう待ってるのが疲れる」って気持ちになったりして、多少安くなってもいいから早く売りたいって心境になっていきます。
そういう状況を見計らって、「250円で買取るという人がいました」ってレジにキャベツを持ってくるんですよ(購入申込書を出してくる)。
【人】って書いてますが、不動産取引では【業者(不動産会社または住宅会社)】
あなたとしては「もう250円でもいいから売ろうかな」って判断して、売ってしまう。コレが【買取りへの誘導】になります。
買取りでも250円の3%は販売所に払う必要がありますからね(仲介手数料)。
買取りには続きがあって、買い取った業者はキャベツをキレイにして(リフォームとかして)、当初はなかったラッピングとかして、「本日のおススメ商品」って店の入り口で積極的に販売し始めます。
そのキャベツの価格は450円・・・・・
買い取った業者は250円で仕入れて、ラッピングや経費で100円かかったとしても、利益は100円。
販売所は、250円で買取りになった時、そして450円で再度売れた時の両方で販売手数料が発生している(350円で売れた販売手数料よりかなり手数料収入は増える)。
これが買取り業者と仲介業者の悪のテクニックです。
あっもちろんこの業者は知り合い同士ですよ。
一括買取り査定みたいなのも最近多いけれど、仲介会社に登録されている知り合いの買取り業者ってだけですからね。
まだ続きがあって、生産者(あなた)はもちろん損させられています。350円で売れてたかもしれないのに、結局は250円と100円安く売らされた訳です。
あと購入者もかなり損してるんです。本来は350円で買えていたはずなのに、450円で買わされてるんだから(汗)
自分でラッピングしても400円で出来ていた訳で。
売主様&買主様の両方にメリットがないのが問題なんですね。
こういった事は他人事だと思うわれるかもしれませんが、ほとんどの大手の不動産会社がやっています。
ですので、売主様にとったら【買取りの話を言ってきたら要注意】
買主様にとったら【本来払わなくてもいい金額を出す】危険性があります。
なので私がよく言うのは「450円は高過ぎるので買ったらダメです。どうしても気に入った(欲しい)ならせめて380円位に価格が下がってから検討しましょう」って事。
もし450円で売り切れたら仕方ないでいいじゃないですか。
かなり長文になってしまいましたが、なんとなくイメージはつきましたでしょうか?